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すべての時間は、“あの頃の時間”になっていく

大人になった今、毎回地元の駅に帰る度に、胸がギューッと締め付けられてしまう駅前の牛丼屋さんがあるのです。

もうずっと昔の話になるのですが、学校を卒業して、占いの勉強をしながら、深夜のファミリーレストランでアルバイトをする生活を送っていた頃に、バイト先にいる年下の大学生の子と一緒に、その駅前の牛丼屋さんによく行っていました。

当時、30歳近くの年齢になっていた僕のことを、そのバイト先の大学生は不思議にも慕ってくれていたようで(多分)、深夜までバイト先の控え室で話した後、もう朝方に近いぐらいまでの時刻になってしまって、「腹減ったから牛丼屋さんに行かない?じゃあ俺が君に牛丼をおごりますよ」、「いえいえ、いいですよ。自分で出します」などと言い合って、その牛丼屋さんまで二人で自転車をこいで行っていました。

季節が夏になると、もう朝の5時には太陽が出現して、「今日も暑くなるぞ」という予感が漂う中、冷房が効いた店内で二人で無言で牛丼を食べていました。その頃になると、「深夜のハイテンション」の魔法は見事に溶けていて、「早く家に帰って寝なきゃ」という気持ちしかありませんでした。

そして、牛丼を食べて家に帰る途中においては、「深夜までハイテンションで理想論などを語っていた自分」に対して冷める気持ちも出てきたりもして、そこから布団をかぶってお昼まで寝る生活をしていました。

そこにあった、「あの頃の日々」をすごく鮮明に今でも覚えていて、胸がギューッとなるのが、僕の場合は地元の駅前の牛丼屋さんの前なのです。

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