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独りになってからの過ごし方

今回の相談者の方は、過去に旦那さんと死別をされたみたいで、今度の11月で13回忌になるそうです。

「自分が死んだら籍を戻して、再婚しちゃってください」みたいなことがお別れの手紙に書いてあったそうですが、今、ひとりだそうです。この数行の文だけでは到底分からないような、お二人のやり取りとか空気感があったんだろうなと、読んでいて感じました。

それで、過去のお二人で暮らしていた頃の生活とか、そういうものを振り返ってみて、「こうやってほとりぼっちで終えるための人生だったのかなぁ」と、少し途方に暮れるよう気持ちになってしまうこともあるそうです。

仕事や人付き合いには恵まれているそうなのですが、自分のコアの部分が無くなったままの人生というのは、極彩色とモノトーン位の差があると感じられるようです。

「“家族作りに盛り上がる”時期を過ぎてから、家族がなくなってしまったら、不幸せを腹に抱えてひっそりと生きるしかないのでしょうか?とりとめがなくてすみません。見ず知らずの方に甘えて愚痴を書きました」とのことでした。

今回のお手紙から取り上げたいのが「独りになってからの過ごし方」の話なのです。

まず、正直に言います。このお手紙を読んだ時に、僕は少し動けなくなってしまったのです。それだけ、自分が今考えていることとすごくリンクする話でしたし、僕も遠くない未来に直面していくような話でもあったから。

だから、この手紙を読んで、僕が思ったことを色々と書いていく形を取らせてくださいね。

自分が年齢を重ねても思うことだし、あと、僕の家の場合はすでに父親は亡くなっていまして、母親がひとりいます。そして、その母親も少しずつ老境に近づいていく変化を日々感じ取ってきています。

これはおそらく、皆さんが感じることだと思うのですが、いわゆる、「若い時」というのは、自分が歳を取ってからのことは考えられないですし(僕自身も考えられませんでした)、「そういうことを想像してみよう」みたいなことがあったとしても、なかなか上手く想像できなかったと思います。

でも、自分が実際に、自分や周りの「老い」というものを体験していった時に、「自分の周りの世界がまぁまぁ、セピア色になったなぁ」みたいな感じを受けるのです。

このお手紙を書いてくださった方の表現ですごく「良いなぁ」と思った部分があって、それは「自分のコアの部分が無くなったままの人生って、極彩色とモノトーン位の違いがあります」と書いてくださった部分なのです。

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