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優先順位をつけられないほど忙しい

今回の相談者の方は、「とにかく時間が足りない」問題にぶち当たっているそうです。

今までライフワークとしてずっとやってきた趣味、新しく始めた趣味、家族のこと、新しい人間関係、自分のメンテナンス、やらなければいけない仕事など。それらのことを全部やろうとしたら、時間のやりくりがつかなくなってしまったみたいです。

「何にもせずにぼーっとする時間」も大切だと頭ではわかっていても、なかなか取れずにいるそうです。「今日一日をやり切るしかない!」とか、そうやって、すべてがしっちゃかめっちゃかになっちゃう時もありますもんね。整理しきれないまま、日々を必死で走っているみたいな。

今までやってきたことを捨てるのは怖いしもったいない気もしていて、そして、新しく始めたことは「始めたての熱気」がある時に存分に楽しみたいそうです。わかります、その気持ち。この方は舞台観劇の趣味もあるそうで、その趣味はこちらのスケジュールなんて考慮してくれないので、それに合わせないといけない。やらなければいけないことを放置して後で大変なことになるのは怖いし、人間関係では「この人、あんまり自分のことを大切にしてくれないな」と思わせるのが嫌だそうです。

この方の言い方が興味深かったのですが、「とにかくすべてが優先順位を主張してくるような感覚で途方に暮れています」とおっしゃっていて、その緊迫感とか、困っている感じがすごく伝わってきました。

さて、今回のお手紙から取り上げたいのが「優先順位をつけられないほど忙しい」の話なのです。

このお手紙を拝見して、けっこう昔の話になるのですが、過去に知り合った人の中で、「おそらく一番忙しく予定を入れていた人」のことを思い出したんです。

その人は将来自分のお店を持ちたかったみたいで、飲食店のバイトをしていたし、趣味でワークショップをしたり、あと、誰かのお手伝い活動もしていました。あと、観劇とか好きなミュージシャンがいたみたいで、追っかけ活動もしていたと思います。あと、他にも色々な予定があって、一回スケジュール帳を見せてもらったのですが、売れっ子の芸能人なみに「一年先まで休みがない」みたいな感じだったんですね。もうね、あの小さいスケジュール帳に手書きでビッシリと埋められた予定を見せてもらった時の衝撃を今でも覚えています。

ただ、衝撃が走ったのが、「びっしりと小さい字で書かれた予定の数々」の方では実はなく、その人が、「自分の好きな予定を説明する時の表情」だったのです。

その人が自分の予定を紹介している時、何かまるで、「幽体離脱をしている人」みたいに、顔が無表情だったし、ちょっと尋常ではないぐらいに「淡々」としていたんです。

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