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自分の夢と和解がしたい

今回の相談者の方は、映像や写真などの美術作品をつくるアーティストとしてのお仕事をずっとされているそうです。ただ、お仕事といっても、それだけで生活できているわけではなくて、別の仕事があった上でのライフワークのようなものだそうです。

そんな相談者の年齢が40歳をこえて、50歳も視野にはいるようになり、「なるほど、私がこの分野でできることはせいぜいこれくらいなんだな」ということが、否応にもわかるようになってきたそうです。これ、淡々と書いてらっしゃるかも知れないけど、この一文を「誰か」に言えることは本当にすごいことだと思います。

この相談者の方は、これまでも(その分野における自分の才覚のようなものへの)自覚はあったそうですが、未来は可変だし、のんきに構えていた部分もあったそうです。しかし、最近はその圧倒的な現実が身にしみて理解できるようになって、小さな絶望が胸にずっと居座っているそうです。この方の文章は本当に「読ませる」、「引き込まれる表現」がずっと続いていました。

ずっと美術が好きで、面白さを今も感じられ続けていること。制作と発表を断続的にでも続けられてきたことは、それだけでとても恵まれていることなのだと、頭ではわかっている。でも、時々、ひどく落ち込んでしまうそうです。

というわけで、この方が今取り組みたいことは「夢の縮小化、最適化」だそうです。絶望が消えることはないとしても、多少の和解をしたいそうです。

さて、今回のお手紙から取り上げたいことは「自分の夢と和解がしたい」についてなのです。

まず、本当に真っすぐで真摯なお手紙をありがとうございました。

僕自身も40代に入って思うのですが、世の中の仕事には「運」もすごく関係するものだと思っています。だから、誰しも、「今やっている仕事が上手くいったり、評価されたりするのは、運が良かったから」と言えてしまう部分があるような気がします。でも、この相談者さんのように、「自分の仕事に対して、まっすぐに向き合ってきた姿勢」を持っていくことは、誰にでもできることではないと考えます。まずはここまで、本当にお疲れ様でした。

まっすぐなお手紙なので、僕自身もこのお手紙に対してはいつも以上に真摯に、自分の気持ちを出していきたいと思います。

この方がおっしゃっている、「夢の縮小化、最適化」について、それは、「撤退」も含めて、僕自身は正直、「いつも」考えています。

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