考えても仕方のないことを考えてしまう

今回の相談は「考えても仕方のないこと」に対する対処法についてでした。

この相談者の方は今のコロナの状況になって、家族に何かあったらどうしようとか、もし、「こうなってしまったら」とか、最悪の展開についてまで考えてしまうそうなのです。そして、負のエネルギーが体にずっしりのっかかるように暗くなってしまうそう。

「考えても仕方ないことだから極力考えない!」とか、自分なりに工夫されてプラスに置き換えたりしているけど、やっぱり考えてしまう。重い気持ちになってしまう。「考えても仕方のないことを考えてしまう」際の対処法について相談を頂きました。

今回のお手紙から取り上げたいのが、ここまでもお伝えしてきた「考えても仕方のないことを考えてしまう」の話なのです。

いや、考えちゃいますよね。色々なことを。今、そういう人ばかりじゃないですか。日々、自分と戦っている。それこそみんな、「考えても仕方のないこと」を考えて、「あー、ダメだ。こんなこと考えていても無駄だ。食器でも洗おう」とか、そういう「ふん!」と力を入れて切り替えて、重い腰を上げている。そして、その腰が上がらないで「やっぱりずっと考えてしまう」という方もいらっしゃると思います。

先日の話になるのですが、仕事である場所に行って、その帰り道にあるホテルのラウンジのカフェに寄ったんですよ。そしたら、すごく癒されたんです。風景も素晴らしかったし、他人がいれてくれたお茶もおいしかったし、何よりも、そこにかかっていた音楽が良かったのです。

どう良かったかって、「自分で選ばない選曲」だったから。ほら、自宅にいる時間が長くなって、流す音楽についても「自分が好きな曲」ばかりだったんです。そういう、「予測が出来てしまう世界」にいると、久しぶりにカフェに行った時の「他人の雑談声」も、予測がつかない選曲も、すごく癒されたのです。それだけ自分が今、「低刺激状態にいるんだ」と実感しました。

これは脳の研究の本に書いてあったのですが、人がやっぱりすごく苦痛とするものとして「低刺激状態」が挙げられるそうなのです。実験で、学生の被験者を白くて無味無臭の部屋に閉じ込めておくと、もうすぐに人はダメになるそうなのです。低刺激に耐えかねて、脳が勝手に妄想をし始める。それってやっぱり今の世界の状況と似ていますよね。色々な、「普段だったら出ない話」なんかも含めて出てきやすいのが、低刺激の状態があるからで。事実と空想がどうしても入り混じってしまうというか。

ある意味、低刺激状態になった時に「あれもこれも」考えるのは、脳とか体に備わった、一種の生存本能に根差すものというか、本来人に備わっているシステムの働きかも知れないのです。それでも確かに、最悪のことまで考え過ぎてしまって、それによって体がずーんと重くなってしまうまではやっぱりダメージが大きいです。

では、「考えても仕方のないことを考えてしまう」場合に、どうしたら良いのか。

これは、いくつかパターンがあります。

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