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【しいたけ.の部屋 本文特別公開企画vol.2】④ 「私、自己肯定感が低いんです…」というあなたへ—“重点キャンペーン”とは?

最近、ブログのコメント欄や悩み相談の質問文などで、頻繁に「私は自己肯定感が低いです」というフレーズが見られるのですが、すごく興味深いと思いました。

 僕は「自己肯定感が低い」と聞いたときに思い浮かべるシチュエーションがあって、それは「周りの人が自分の思った通りに、もしくは温かく対応してくれない」という場面なのです。ちょっとひどい言いかたですね。独りよがりみたいで。でも、もう少し話を聞いてみてください。ちょっと僕自身の例をもとに話をしていきたいと思います。

 小中学生の頃、僕はすごく人見知りで、ずっと親友と思っていたひとりの友達だけと仲良くしていました。人見知りの人だったらわかってもらえると思うのですが、その親友が「今日さ、〇〇も一緒に帰っていい?」とか、第三者を入れてくるパターンがあるじゃないですか(笑)。「う、うん。いいよ」と答えるんだけど、第三者が入ると僕は一言も喋れなくなる。

 これがなぜ「自己肯定感の低さ」と関係するかというと、自己肯定感が低い人って、すべての場面で「自信がない」わけではない気がするのです。むしろ、「本当は得意な場面があるし、何か自分の能力なり、話術なりが“ハネる”こともある。でも、なぜか知らないけどそういう躍動感が自分にやってこなくて、目立たない自分でいることが悔しい」って感じなのです。

 だからですね、「自己肯定感が低い」と申告する人って、準備はいろいろしてきたと思うのです。でも、その準備をどこの人間関係の中で、どの環境の中で活かしていけばいいのかわからない。「本当はいろいろ喋れるはずなのに、何か自分にとってよくわからない“親友の友達”がその場に加わったことでまったく喋れなくなってしまう悔しさ」と「自己肯定感の低さ」ってちょっと似ている感じがするのです。

 僕なりの考えでは、自己肯定感が低い人って「深い達成感」を潜在的に求めている人だと思います。これまで相談を受けたケースから、そういう人の特徴をちょっと挙げてみます。


・誰かとの会話で「もうちょっといろいろ突っ込めたな」とあとで消化不良を覚える

・LINEやメールで、会話が終わったあとに「あれ、なんか私変なこと言っちゃったかな」と振り返ってしまう

・頼まれた仕事に対して、どこまでの完成度を求められているのかわからないから、倒れるまでやりきりたい

・誰かと会って話していて、「あー、そうですね。ふふふ」などと愛想笑いをされると、なんだか負けた気持ちになる

・自分より注目を集める話題を提供した人に対して、「あー、悔しい」と思う

 

こんな人です。これって、全部に共通するのが、70点じゃ満足できない、物事を常に100点まで持っていきたい気持ちなのです。だから、人としてとても素晴らしいのです。だって、向上心がちゃんとあるから。向上心って「悔しい」気持ちがないと起きないから。


 自己肯定感が低い人が請け負う苦しさの原因は、「全部に対して完璧でなければいけない」という潜在的な気負いなのです。友達と軽快なトークをして、職場では注目されて、ちょっと気になる人とのLINEでは「〇〇さんと話すといつも救われる。今度ぜひお礼させて」と言われて、満面の笑みでスマホのスイッチを切りたい。それは「憧れの私」に対する「現状の私の至らなさ」からくる悔しさなのです。


 だから、自己肯定感が低い人にぜひやってもらいたいのが、「悔しがる対象を、1個に限定する」ということです。毎日の生活の中で3個も4個も悔しさを抱えてしまうと、自分がつぶれていってしまって「私は何をやっても中途半端だ」なんていうセリフが出ちゃうようになります。


 悔しさの対象は1日1個にして、たとえば「友達との会話で何か1個みんなを笑わす」と決めたら、「友達笑かす重点キャンペーン」を組む。その「友達笑かす重点キャンペーン」中は、仕事に関して100点を取れなくてもOK。もちろん、急に重要な仕事を任されることもあるから、そうなったら、その日中に重点を置くことを変えて「仕事で100点取るキャンペーン」にする。

 悔しがる対象が1個だと、頑張れるのです。そして、知恵も浮かんできます。

 僕自身も、原稿を書くことで100点を取るために集中したいときは、部屋の清潔さや「Twitterでなんかつぶやかなきゃ」を捨てます。そこは生ぬるい60点でいい。英会話を習いながらお料理教室にも通って、筋トレもするみたいなのって、まぁもちろん少数の人はそれをこなしちゃうけど、いっぺんに全部を極めようとしても無理だから。


「重点キャンペーン」の内容は毎日変えてもいいから、悔しがる対象を1個に限定してみてください。そうすると自己肯定感の低さって、いつの間にか気にならなくなりますよ。


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『しいたけ.の部屋 ドアの外から幸せな予感を呼び込もう』
しいたけ.著 

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