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昼の顔と夜の顔

今回は少し自分語りをして良いですか?

僕、3人兄弟の末っ子として生まれたのです。僕の上に兄と姉がいて、それで何か、僕にとって「末っ子」というポジションは本当に素晴らしいもので、来世もし生まれることがあっても「絶対に頂いておきたい立場」なのです。

もちろん、あくまで僕が恵まれた環境にいただけなのかも知れないのですが、末っ子として生まれた際、親の子育ての情熱みたいなものはけっこう兄なんかに注ぎこまれていて、「放っておいてもらえる」、「将来性など、親の関心があまりこちらに向いてこない」空気がめちゃくちゃに心地良かった。うちの兄と姉は小学校や中学校でも目立つ人だったし、生徒会長なんかもやっていたから、僕なんかは「生きている上の兄弟の遺産」で暮らしていたようなものでした。

なんでこんな自分語りをしたのかというと、最近読んだ心理学系の本に「昼の顔」と「夜の顔」についての記述があったのです。ありていに説明をすると、あるクライアントさんが「尊敬する上司の顔を夜の夢の中では殴り飛ばしたり怒鳴ったりしている夢」をよく見ることを相談されたんですって。その逆に、上司からすごく叱責されて追い詰められているみたいな夢についても頻繁に見ると。まぁ要は、本当は尊敬なんかしてなくて、嫌いなわけですね。その上司の方が。

そういうふうに、「本当は好きで、ついていきたい。尊敬している」と決定しているのが人が持つ“昼の顔”で「あいつうざー。会いたくない。一言言ってやりたい」と本音の部分で思っているのが“夜の顔”なわけですね。

僕が心理学という分野がやっぱり好きな理由のひとつとして、

「人はひとつのキャラクターだけを持っているわけではない」

とか

あと、

「人間の心を円グラフにした時に、その円グラフで何かの気持ちが100%になることなんてない」

みたいな、一種の“不純”を認めてくれているからというのがあります。

たとえば、「あー、私幸せ~」と言っている人も、やっぱり裏側では何かあるわけじゃないですか。その人の心の円グラフを作った時に、その幸せの内実は「この幸せはやっとつかんだ幸せ。絶対にこの状態を維持しなければならない。特に、私の終生のライバルであるB子にだけは絶対に負けてはならない」みたいな、そういう“幸せに対する執念”みたいなものが8%ぐらい入っている場合がある。

なんか僕は、人が表に出している92%の部分よりも、このどす黒い、なんの役にも立たなそうとか、どうでも良いけど重要な8%の方の部分に人間らしさというか、その人がその人でいる魅力みたいなものがあるような気がしてならないのです。

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