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note読者限定、本文特別公開企画④出口のない恋愛にハマる人

引き続き、「第3章 心の温度を上げていこう(恋愛・愛情問題)」からお送りします。

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出口のない恋愛にハマる人

恋愛関係が友達や知人、そして社会的な関係と違うところは、「好き」とか「この人には私がいなきゃ」という、一種の魔法にかかることです。もちろん、この魔法は人をそれまで体感したことがないような素敵な世界にも運んでくれます。あとやっぱり、恋愛が他の関係性と話が違うのは、決して「楽」なだけじゃないところです。

「僕は君を愛している。だから君もお仕事大変で忙しいだろうけど、毎朝7時に僕を起こして僕のために朝ご飯を作ってほしい。僕は目玉焼き2個派です」と言われたら、「好き」という魔法がかかっているうちは苦労ともなんとも思わないはずです。

でも、その魔法が解けたときには目玉焼きを作るフライパンでぶん殴りたくなるか、「なんでこの人ばっかり楽をして、私こんなに苦しいんだろう」と思うと、いろいろなことが行き詰まってきたりします。

ストレートに言うと、不倫みたいに「どちらかというと、出口のない方向の恋愛」にハマったことがある人、もしくは現在進行形でそういう恋愛をしている人って意外に多いと思います。

いわゆる「出口が見つかりづらい恋愛」にハマる人って、「消化されないやさしさ」を抱えています。普段は強くて自信があったとしても、大事な場面で遠慮して必ず自分を譲ってしまう。そして、我慢してしまう人。他人に迷惑を掛けないように、自分の中でやさしくあろうと踏ん張り過ぎてしまう、という特徴が見られるのです。

ここは大事なところなので、話を遠回りしながらきちんと説明させてください(お茶とか飲んでください)。

人間も、動物も、生物としてこの世に誕生したのち、一番はじめにやらなければいけないタスクって「私はここにいるよ!」と叫ぶことなんです。だから、生まれたばかりの小鳥がピーピー鳴いてるのって、どう見てもかわいいです。でもあれって、かわいいだけじゃなくて、「親鳥に〝自分はここにいる“とアピールして、餌をもらう。気にかけてもらう」という過酷な生存競争をすでにやっているわけなのです。

人間の話に戻すと、子どもが物心ついたときに「ねぇ、なんで私を産んだの?」と親に問うこと。もしかしたらこれを読んでいる人もそう聞いたことがあるかもしれませんが、その質問の背景には「私はここにいるよ」と叫んでも伝えきれなかった寂しさがあるかもしれないのです。「なんで私生まれてきたんだろう」と独りでつぶやくときにも、この「寂しさ」と「分かり合えなさ」ってあると思います。

生きていくって、「私はここにいるよ!」という主張がうまい人が得をします。恋愛面でいうと、甘えるのが得意な人。でも、それがうまくない人もいます。甘えるにはどうすればいいかわからなくて、自分の周りを武装してしまう人もいます。

僕が見てきた中では、不倫など「出口のない恋愛」にハマる人は、そういう「甘えるのが苦手」なタイプが多かったのです。恋愛の相談をしにきていても、とても自立していて、社会的には「有能」で頼られる上司だったり、頼られる部下であったりする人。だからこそ、潜在的にどこかで「この人はちょっと壊れている人だから、多少迷惑を掛けても大丈夫かもしれない」と思える人を好きになるんじゃないか、というのが「出口のない恋愛」にハマる人の特徴に関する僕の仮説です。

こう書くと怒られるかもしれないのですが、「憧れの人との不倫」って、けっこう抜け出すのが早かったりします。でも、「はじめは下に見ていた人との不倫」って、出口から抜け出さずにズブズブになることが多いです。

ここで、「よし、今度こそ私は良い恋愛をするぞ!」とか「甘えてみるぞ!」という決意はしなくていいです。なぜそういう「意気込み」が必要ないかというと、甘えるって努力じゃないからです。自分のゴールを定めて、黙々と「立派になる」という方向性にあるものじゃないからなのです。

では、甘えるのが上手な人って、どういう人なのでしょうか。
それは、「イタズラをする人」なのです。イタズラって、子どもが「私はここにいるよ」と伝えるためにやる大切なコミュニケーションです。恋愛において甘えるのが苦手な人も、小さな小さなイタズラからはじめてみてほしいのです。

誰かとご飯を食べていて、その人が席を立ったときにお箸を隠しちゃうとか(高難易度だからやんなくていいですが)、「今日嘘ついて面倒くさい飲み会サボっちゃった」とか、最初は「自分との間だけでやる秘密のイタズラ」からはじめてみてください。「あー、つまんないー、会社やめたーい」って明るく公言している人のほうが、ちゃっかり幸せになったりしている、あの法則と似ているやつです。

イタズラ的な発言を少しずつ増やして、自分の中で大切にしてみる。もしよろしければやってみてください。


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『しいたけ.の部屋 ドアの外から幸せな予感を呼び込もう』
しいたけ.著 

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