「いやぁ、しんどいねん」の効用
「いやぁ、しんどいねん」から始まる会合
最近はあまりお会いできていないのですが、僕は自分の師匠の名越康文先生(シンガーソングライター、精神科医)にちょっと薄暗い喫茶店でお会いする時間がすごく好きなのです。
名越先生は一時期、喫茶店の待ち合わせの席に座るなり「いやぁ、しんどいねん」と言いながらおしぼりのビニールを破り、一通り「最近あったしんどいねん話」をし終わった後に「あ、そういえば頼んどらんね。僕はコーヒー頼もう。君は?」と言ってコーヒーを注文し、コーヒーを飲んでまた続きの「しんどいねん話」をし終え、しばらく放心状態に入る。長くなってしまったのですが、その一連の流れが僕はすごい好きなのです。
誰かに会って、枕詞として「いやぁ、しんどいねん」がある。
それってすごく素敵な時間だと僕は勝手に思っています。
他人と会うのが疲れる=「上げていかなきゃ」のプレッシャー
人同士は、友達でも、家族でも、知り合いでも、仕事仲間でも、誰かと会う前って、「良い報告をしなきゃいけない」とか、「最近経験したことを話さなければいけない」とか、場合によっては「相手を笑わせなければいけない」とか、そういうプレッシャーを感じてしまうことはあったりするでしょう。それこそ、美容室なり床屋さんを予約して、行くのが疲れてしまう人とか。
人は、誰かと会う際に「上げなきゃ」という気持ちをけっこう抱えている。
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