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お母さん的な座敷童がいた店

今回ですね、ちょっとだけ怖い話に聞こえたらごめんなさい。いや、そこまで怖い話ではないのですが、不思議系の話です。

昔、占いの鑑定を始めたぐらいの時に、もう本当に占いをするのが好きで好きでたまらない時期があったんですよ。もちろん、今でも占いをする瞬間は特別な時間ですし、楽しいですし、好きです。でも、やり始めた当初はもっとハイになっていたというか、経験不足を補うためにも、なんでもかんでも占っていたところがありました。それこそ、スーパーに行って「どちらの白菜を買っていったら良いだろう」みたいなことを占っていたりもしていました。

当時の僕は占いの武者修行みたいなこともしていて、飲み屋とかで会う人に対して、「占って下さいよ」と言われたら全員占っていました。これは別に自分の武勇伝を語りたいわけでも「そういう苦労をしてきたんですね」みたいなことを言いたいわけでもないです。むしろ、真似しない方が良いぐらいのことで。

こういうことも書いておきたいのですが、僕は今だと夜の飲み屋で占うことはしないと思います。どうしてかというと、昔それをやった時に「何かが憑依する」みたいなことが起こりやすかったんです。スナックとかBARとか、あとは飲み屋さんとかでもそうだったんですけど、お客さんとか場に「酒が入った状態」になって、そして、時間帯も夜の23時を過ぎたぐらいの時って、なんとなく「普段の世界が持っている境界線がぼやけてくる」みたいなことが起きがちだったんです。

今でも覚えているんですけど、ある地方のスナックでお客さんを見た時に、それも夜の23時を過ぎていたんですけど、「自分が勝手に何かをバーッと喋っている」のが見えたんです。止まらない。そして、言っていることが全部当たっていたらしい。そういうのって、やっぱりちょっと危険なんです。自分の実力以上に、自分が勝手に喋っていることが当たるって、それは多分、呼んでもいない「自分以外の力」がついちゃっているみたいなことだから。別にその後に体調が悪くなったとかはなかったけど、そういうことを「自分の力」だと勘違いをしてやり続けると、自分が徐々に「違う力」に浸食されていく匂いをどうしても感じてしまった。

今回書きたいコラムは、そういう「飲み屋で占いの武者修行」をやっていた時の話のひとつです。

昔、ある飲み屋さんの店主と仲良くなって、そこにいるお客さんを占っていたこともありました。もちろん、そのお店には別に占いに行くわけではなくて、僕が客としてよく行っていたお店です。

ある時、そのお店の店主から「うちの店って何かいる?悪いものではなさそうなんだけど、夜ひとりで作業をしている時なんかに、何かの気配を感じるんだよね」と言われました。

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