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幸せなほど不安になってしまう

今回のご相談はすこし変わった内容でした。この相談者の方は現在「とても幸せ」なのだそうです。やりたかった仕事ができていて、大好きだったひとと結婚して、とても心穏やかに暮らしているそうです。今が人生で一番幸せだそう。「はい、解散!」と言わずにもうちょっとだけ付き合って下さい。僕は話の続きが聞きたいです。

「今の幸せ」に対して、ふと極端に恐怖を感じることがあるそう。「今日旦那さんを見送ってそのまま帰ってこなかったらどうしよう」など、とりとめのない不安を感じてしまうこともあるみたいです。他にも、大切なものがこれ以上増えることが不安で尻込みしてしまうなど、これからどんな風に自分と向き合っていけば良いのか、ヒントをもらえたらとても嬉しいです、とお手紙は締めくくられていました。

今回のお手紙から取り上げたいのが「幸せなほど不安になってしまう」話なのです。

今回すごく面白かったのが、まさにこういう相談こそ「人には言えない話」であったりするじゃないですか。だから、正直な想いや心配を送ってきて下さってありがとうございます。少しずつ僕の意見を言わせて下さいね。

まず、「幸せ」について。僕自身、「幸せを実感できるのって、どういう時なんだろう?」と考えてきました。「幸せ」ってすごく難しいことでもあるわけじゃないですか。たとえば「クラブでみんなをはべらせて、高い酒をバンバン飲む」とか、表彰されるとか、うらやましがられるとか、大嫌いなやつに仕返しをしたとか。そういうのも確かに「幸せ」だと思うのです。

ただ一方で、これは僕の勝手な感覚なのですが「幸せ」と「渇きを満たすこと」は違う。

実は、上に上げてきたものは「幸せ」ではなく、「渇きを満たすこと」に近いもので、「炭酸飲料をゴクゴク飲む」のと感覚が似ている。すごくおいしいし、快感だけど、また何かしらの「渇き」が生じてくる。そして、頭が真っ白になるまで飲み尽くしたくなる。これが、「渇き」をベースにした欲求なり欲望です。逆に、幸せって、もっと何か「物足りなさ」とか「刺激の少なさ」もベースとしてあると思うんですよね。おでんでいうと「がんもどき」あたりが幸せに近い概念です。

もうひとつ、「幸せ」について大事な話をしたいのですが、僕自身のことも振り返っても、占いで出会ってきたお客さんのことを振り返っても、「幸せ」を知る人って、「自分の限界も知った人」なんです。

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