なぜ人は人の噂話ばかりするのか
今回の相談はものすごく色々な「細かいニュアンス」を含めた、面白いお手紙でした。
この相談者の方はいわゆる、「その人に対して話したことが、噂話として広がること」に対して違和感を覚えるそうなのです。
この人のたとえ話が面白かったのですが、「例えば、私が趣味で楽器を始めたとします。そのことを『この人になら話してもいいかな』と思えた人にだけ数人に話すのですが、時間が経ったころに(その話を伝えていない他の人から)『楽器、上手になったの?』と言われることに違和感を覚える」そうなのです。
これ、わかりますかね? 許可なく「え、あなたに話していない話が、なんで当然の情報のように出回っているの?」みたいに感じる違和感。
もちろん、最初に話した人に「秘密にしてほしい」とか「内緒にしてください」というほど、たいした内容じゃないケースもあるから、扱い方に困ると。確かに、ものすごい話じゃない限り、「これは秘密にしてください」といちいち伝えると、「なんであんなたにお高くしているんだ」とか、そういう印象も持たれちゃったりもしますもんね。「私が密かに土日にプリン作りをしていることは、絶対に黙っていて欲しい」とか言うのも、なんだか微妙だったりもしますし。
この相談者は、「なぜ、人はその本人が話していない個人的なことを他の人に話してしまうんだろう?」と、その「噂話」とか、「話の伝達」に疑問を感じることがあるようです。
今回のお手紙から取り上げたいのが「なぜ人は人の噂話ばかりするのか」の話なのです。
何かですね、このお話を受けてパッと脳裏に浮かんだ話があったんです。いつだったか忘れたんですけど、今やもう世界的に有名なミュージシャンの人がいて、その人は男性と女性のユニットでやっている方なのですが、ものすごく有名になってきた時に、マツコ・デラックスさんに恋愛の相談をしていたんですよ。
その相談内容は確か、「自分が有名になってきてしまい、恋愛に冒険するのが怖い」みたいなことだったのですが、それに対してマツコさんが「自分と同じくらい十字架を背負った男と恋愛しな」みたいなアドバイスをされていたのです。ごめんなさい。もしかしたら、細かいところが間違っているかも知れません。
それで、この話と、相談者の方が出してくださった「噂話」の話がどうリンクするのかというと、僕は自分のひとつの結論として、やっぱり「自分と同じぐらいの何かを背負っている人じゃないと、深いところで仲良くはできない」みたいなことが、どうしてもあるような気がしちゃうんです。
たとえば、「私は休日にプリンを作っているんだよね」みたいな話も、そういう話を「この人はやっぱりものすごい大変な仕事をしているから、そういう時間がオアシスなんだろうな」と、その人が抱えている「大変さ」みたいなものを共有できない限り、「あの人なんか、プリン作っているんだって」とか、そういう「軽い噂話」として扱われたりするわけじゃないですか。
ここから先は
¥ 100
いつも温かいサポートありがとうございます。メッセージも読ませてもらっています。僕はこの場所が「近所の寄り合い所」みたいになってくれたらすごく嬉しくて。あなたの声が聞けて嬉しいです。これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。