見出し画像

賞味期限が周りよりも早くて、震えている牛乳

前にも書いたことがあるかも知れないのですが、お世話になっている、シンガー兼精神科医の名越康文先生の講座に行った時に、先生がある話をしたのです。名越先生の話って、ブワーッと話が横道やまわり道をたどった後に、急に本丸を襲撃してくるようなスリリングさがあって、本当に僕は好きです。

その日、確か講座か何かだったと思うのですが、先生が

「自分にとって不快な状況、気持ちが悪いと思うような状況に会ってしまうとどうしても人はパニックになってしまいます。ほら、眼鏡をかけている人ならわかると思うけど、眼鏡をうっかり指で触っちゃったりして、汚れちゃうことあるじゃないですか。ああいう時、すぐに汚れを取り除きたいでしょう?だって、そのままだと視界が曇って見えてしまうから。でも、そういう“いつも通りじゃない状況”というのはチャンスでもあって、その視界に慣れるようにして、少し深呼吸をしながらそのまま過ごしてみな。何かね、感覚がタフになったり、鋭敏になったりしていることに気づくよ」

みたいなことをおっしゃったのです。

名越先生の講義とかお茶会って、こういう「奥義」とか「秘術」みたいなものがポロッと出たりします。

たとえば、ワイシャツのボタンが出先で一個外れてしまうとか、空腹になるとか、「人と待ち合わせをしているけど道に迷ったかも」とか、そういう「プチ緊急事態」に接することって日常でよくあるわけじゃないですか。その時に焦ったり、「どうしよう」と少しだけパニックになったりする。いつものバランスが崩れているわけだから、早くそのバランスを元通りにしたいと思う。

ここから先は

1,084字

¥ 150

いつも温かいサポートありがとうございます。メッセージも読ませてもらっています。僕はこの場所が「近所の寄り合い所」みたいになってくれたらすごく嬉しくて。あなたの声が聞けて嬉しいです。これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。