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「今それを考えてもしょうがないよ」

昔、脳科学者の池谷裕二さんと糸井重里さんの対談本、『海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス』(朝日出版社、2002年) を読んですごく救われたところがあって、それは、この本の中で確か「脳は解決を求める」ということが書いてあったのです。

「脳は解決を求める」。「脳は白黒ハッキリつけて、先に進みたい」という性質があることが語られていて、それがなんだか当時この本を読んでいた僕は「あー、救われたー」と思ってしまったのです。

たとえばなんですけど、僕は占いを仕事にしている人間なので、やっぱり「悩み事を抱えた方」に会うことが多い立場にあると思います。それで、悩み事って、それはもう、「抱えているだけで不快」なわけなんですよね。「どうしたら良いのか」とか「これはどうすれば良くなるのか」。もしくは「どうにもならないもの」なのか。

そういう、答えを求める気持ちとか、グレーゾーンのまま様子を見ることを不快に思う感覚は、それは脳というものが「で、どうなの?」と解決を求める性質があるから引き起こされるんだということがわかっただけでずいぶん僕は救われたのです。

なんかほら、友人とか知人同士で集まったり、ひとりでいる時もそういうことがあると思うのですが、「あの人どうなの?」という問題ってよく出てくるじゃないですか(笑)

「あの人、私の前でこんなことを言い放ったのよ。一体何を考えているのかしら」

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