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足を止めて季節を探してみる

色々なところでこの話はしたかも知れないのですが、もう何年も前になるのですが、仕事がとても辛い時期があったのです。

「辛い」ってすごく面白いもので、本人がその「辛さ」を体験している時って、傍目から見たら「すごく今頑張りどころ」で、楽しい周期に入っている時期であることが多かったりもします。

僕の場合は占いの仕事を始めて、まだメディアで執筆とかする前なのですが、個人鑑定を中心にやっていて、自分がさばききれないぐらいのお客様の予約を受けていた頃でした。

その時、今でも思い出すのですが、その「辛い周期」を救ってくれた瞬間があったのです。

ある日、めずらしく早い時間帯からの仕事が入ったので、いつもよりも早く起きて家を出た時のことです。季節はちょうど今ぐらいの10月で、空が高く、青空になり、吹きかける風も少しの冷たさが入ってきた時期でした。目の前から幼稚園児の集団が歩いてきて、引率者の先生が子ども達に「じゃあ、この景色の中から秋を探してみましょう」と言ったのです。何かその瞬間、電流が走ったかのように衝撃を覚えました。「秋を、探す?」。

その瞬間、周りを見渡したのです。木々の葉は少しずつ黄色味を帯びて、風も冷たい気配を含んできている。夏に感じていた「暑苦しさ」がいつの間にかなくなってきた。景色の中に秋を感じた時に、久しぶりに僕は「お腹が空いた」とつぶやいたのです。

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