見出し画像

40歳を前にして「何もない」と感じてしまう

今回の相談者の方は「40歳を前にして自分には何もない」ということを感じてしまっているそうです。なるほど、なんとなくだけど、そう考えてしまう人は多そうですよね。

自分が、19歳から今に至るまでの20年間、同じことばかり繰り返しているということに気がついて落ち込んでしまっているとのこと。これ、個人鑑定の場だったら、「19歳」というキーワードと、その「20年間の繰り返し」について、詳しく聞いていたと思います。

その「何もない」というのを隠すために、努力も何もする気がないくせに、自分を大きく見せようとしては失敗して、嫌な記憶や思い出ばかり積み重ねてきてしまったそうです。

周囲には人生が順調に進んでいる人たちばかりになり、それを見るのが嫌で、すべて関係を絶ったそうです。なるほど。自分に対する認定というか、「私はこう」と自分で決めて、周囲との関係を絶つことも含めて、嫌味とか変な物言いではなくて、「断定力」と「行動力」の凄まじさを、この相談者の方からは感じました。

「周囲と自分を比べすぎて卑屈になっているのは理解できてはいるのですが、何というか、心に落とし込むことができないような感じで、それが苦しいのだと思います。また、自分に『コレ』というものが一つでもあれば、慰めになったのかなあと悲しくなります」とのこと。

「長々と暗い文章を書いてしまい、すみません」と締めくくられていました。いえいえ。大丈夫ですよ。

それでは、今回のお手紙から取り上げたいのが「40歳を前にして『何もない』と感じてしまう」の話なのです。

今回、このお手紙をいただいて、どうしても以下の話をしたくなったのです。

僕が子どもの頃に、北野武さんが自分の子ども時代のことを書いた『たけしくん、ハイ!』という本があり、この本が親戚のお家に置いてあって、夢中で読みふけってしまったのです。この『たけしくん、ハイ!』は当時、テレビでドラマ化もされて、お母さんのサキさん役を演じる木の実ナナさんの迫力がすごくて、今でも記憶に残っています。

それで、この『たけしくん、ハイ!』の中で僕がすごく好きなシーンがありました。

ここから先は

2,101字

¥ 100

いつも温かいサポートありがとうございます。メッセージも読ませてもらっています。僕はこの場所が「近所の寄り合い所」みたいになってくれたらすごく嬉しくて。あなたの声が聞けて嬉しいです。これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。