こんにちは。しいたけ.です。

今年、なんと「しいたけ占い」がこの世に誕生してから10年が経ち、10周年を迎えることができました。わー！パチパチパチ！

「しいたけ占い」が無事に10周年を迎えられたのは、毎週月曜日に占いが届くのを楽しみに待っていてくださった皆さまのおかげです。まずは本当に、ここまで応援してくださってありがとうございます。

今回、せっかくの10周年のコラムになりますので、僕もお茶でも飲みながら色々と話していきたいので、皆さんもお茶でも飲みながら、気軽に読んでくださったら嬉しいです。

まず、どうしてもこの話からしたいのですが、「しいたけ占い」の名称についてです。これは色々なところで話している内容ではあるのですが、僕は当時よく、LINEの名前を二か月に一回ぐらい変えていたのです。「なんで名前を変えていたの？」の質問に答えるのがとても恥ずかしいのですが、当時の僕は知り合いやお友達が少なくて、話のきっかけがないから、誰かが少しでも「名前の変更にくいついてきてくれたら嬉しい」という考えからでした。すみません。

名前の変更については、「ラーメン食べ太郎」とか「Tボーン牛太郎」など、その時々でハマっていた食べ物に関係するものを付けていたのですが、ある時、お友達の家に晩御飯を招待されたことがあって、その時のメインディッシュが「五目ちらし」だったのです。

五目ちらしって、本当に華やかで、見ていてとても「心が躍る」ようなお料理じゃないですか。

具材である卵も、レンコンも、きぬさやも、海老やニンジンやゴマや刻み海苔なども、どこか「えっへん！」と得意気で、綺麗に自分たちを飾り立てて、食べられる時を待っている。

僕もその華やかさに圧倒されて、「おいしそうですね！」と言いながら、自分の分の五目ちらしをお皿に盛り、「いただきまーす！」と言って食べました。でも、その1秒後に、「あれ、これ、しいたけ入っているじゃん」と気づきました。

何回もこの話をして、本当に申し訳ありません。

僕はしいたけが苦手なのです。

でも、この時ばかりは本当にしいたけに対して「申し訳ない」と思いました。だって、こんなに綺麗に五目ちらしの中で飾りつけをしてもらって、味の中でちゃんとアクセントをつけるために頑張って、違う場面では出汁にもなってくれる、しいたけ。しいたけは人類に立派に貢献してくれているし、愛情を込めてしいたけを育ててくださっている方々もいる。

それが、僕が勝手に「苦手だ」という理由で勝手に食べられないわけです。ちなみに、この五目ちらしの際には、「これはエリンギ。これはエリンギ」と強制的に洗脳して食べました。でも、この「エリンギ洗脳」は生涯の中で何回も使える奥義ではないのです。

自分が勝手にしいたけが苦手なだけで、人生の中で貴重な「おいしい、しいたけチャンス」を逃している。そして、しいたけにも申し訳ない。10年前の春、心から、「しいたけが食べられるようになりたい」と願いました。

そして、LINEの名前についても、「しいたけが食べられるようになりますように」という願いを込めて、「しいたけ」としました。

それからすぐに、僕が毎週月曜日に配信していく占いの仕事の話が決まり、その占いの名前も、「しいたけさんがやる占いだから、しいたけ占い」になりました。この時にあった一連の流れは、今でもずっと覚えています。

だから、もしかしたら、この「五目ちらし」のエピソードがなければ、「ラーメン食べ太郎占い」になっていたかも知れないし、そうなったら確実に、今のような扱いは受けていなかったと思います。良かった本当に。しいたけ占いで。

あと、これも本当に不思議なのですが、「しいたけ占い」が始まる前に、「都会に出た孫を全面的に応援する、山奥に住むおじいちゃんからの手紙にしよう」というコンセプトは、誰かに相談をするわけでもなく、僕の中でそのイメージがすぐに降りてきました。

それから10年間、僕にとって「12星座に向かって、占いの手紙を書く時間」は、言葉で言い表せないぐらいの、特別で、貴重な時間になりました。だって、実際の友人関係でも、「週に一回、その人に手紙を書く」なんて付き合いはしたことがないわけです。

12星座の占いを書いている僕自身、この10年間は色々な変化がありました。

でも、毎週月曜日に「しいたけ占い」を届ける中で、良い意味で、「好き勝手、自分のやりたいことをやっている12星座」の様子を毎週眺めて、どれだけ勇気づけられてきたか。

• あー、今週も牡羊座は目をキラキラさせて、倒れるまでやりたいことをやろうとしているのか

• 牡牛座は解放モードに入ったから、髪の毛を金髪にしたり、放浪したい気持ちになっているんだな

• 双子座はお菓子を食べて幸せそう。面倒くさそうな話については、聞こえないふりをしている

• また蟹座はシミュレーションをしながら、無事に案件が終わることを祈っているようだ

• 獅子座は他にやる人がいないから、しょうがなく、またみんなを引っ張ろうとしてくれている

• 乙女座は栄養の回復のために、自分が好きなカルチャーに浸ろうとしている

せっかくなので、全部の星座を紹介させてくださいね。

• 今日も天秤座は、プルプル震えながらも、今の自分に飽きて、新しい世界へ行こうとしているぞ

• 蠍座は弱気モードが終わって、超強気モードに切り替わろうとしているんだな

• 射手座は良い意味で、余計なことを思いついて、また新しい探求に取り掛かろうとしている

• 山羊座はガラス細工のハートを持ちながらも、また暴走の機会をうかがっているようだ

• 水瓶座は布団の下にある、自分だけの、秘密の地下室に行こうとしている

• 魚座はみんなを笑顔にさせつつも、やりたいことは絶対にやろうとして譲らない

などですね。本当に、12星座それぞれが、どんな時もばらばらに好き勝手やってくれている。毎週の占いをする僕にとっても、そんな様子に会いに行くのが、とても楽しみでした。

調子が良い時だけではなく、調子が悪い時も、手紙のやり取りを通じて、それを共有できて、本当に嬉しいのです。僕にとって、これから先も「しいたけ占いを書いている時間」は特別な時間であり、このかけがえのない、「皆さまとのやり取りの時間」の縁を頂いて、感謝しております。

これから先の、「やりたいこと」などについては、もうちょっと時間をかけてゆっくり考えていきたいです。でも、「しいたけや色々なキノコが生えている山奥に住んでいるおじいちゃんが、孫に向かってお手紙を書いている時間」をこれから先も基本にしていくつもりです。

願わくば、10年先、20年先も、続けていきたいです。

さて、今回改めて、「しいたけ占い、始まってから10年が経つんだ」と思った際、個人的にはこの「10年」を振り返り、「出会いと別れって、けっこうあるよな」と考えました。

「しいたけ占い」に関しても、色々な出会いや縁に恵まれなければ、絶対に世の中に現れませんでした。

僕に「週刊占いの連載の適性がある」と見抜いてくれた『VOGUE GIRL』の人たち。そして、「山奥に住むおじいちゃんから毎週届く手紙のような占い」という、そのようなヘンテコな占いのコンセプトを「面白いよ！」と言って、受け入れてくださった読者の方々。その他、毎週の占いや半年ごとの占いの執筆をサポートしてくれた周りの人たち。

その「出会い」に関して、誰が欠けたとしても、「10年間」という期間は続けてこられなかったと考えています。改めて、本当にありがとうございました。皆さんのおかげで、ここまで連載を続けることができました。

一方で、誰かの人生の中には「出会い」があれば、そのセットとしての「別れ」もあったりします。

「別れ」というのは、明白に「もう、あなたのやり方についていけない！」みたいな宣言があったりして、それで、別々の道を歩んでいくというような、「ハッキリとしたかたち」を取っていくものは、意外と少ない気がします。

自分がある選択をしたり、やりたいことをやっていく中で、いつの間にか自分自身の考え方や価値観、そして、時間の使い方などが変わっていく。その結果として、これまで「気が合っていた人」と距離ができていったりもして、いつの間にか、「いつも一緒にいる人」が変わっていく。

この10年間、僕が誰かを占っていっても、そして、僕自身のことを振り返っても、「自分のやりたかったことを選んでいく」ことや、「必要に迫られて、今後の自分の人生をどうしていくかを選んでいく」際に、そこには必ず、大なり小なり、「新しい出会いと別れ」が発生してきました。

どんなに気が合ったとしても、その人と何十年も一緒に、同じようなペースで会い続けたりすることは稀（まれ）ですし、自分の周りの空間に、人が入ったり出たりしていき、そして、自分自身も、誰かが持つ空間にお邪魔していくような縁をもらっていったりもする。

そのような、「誰かとの間に生まれていく縁」というものは「奇縁」としか言いようがないし、そのような「出会いと別れ」については、「これから先、自分がやっていきたいことをお互いにサポートしてくれるため」に、各自が呼び寄せ合うような感覚が僕にはあります。

生きていく中で、嬉しい出会いもあれば、悲しい別れもある。仲が良い人とも、以前とは同じペースで会えなくなってしまうような、そのような寂しさが残ることもあります。

でも、誰かや何かと共にあった時間は絶対に消えないし、「大事だった」からこそ、それぞれの道を応援し合うような気持ちを持てたら素敵だなと思ったりもします。

人は思った以上に、「自分以外の他人」を必要としていきます。

誰かが持っている才能やセンスというものは、その人が行った工夫や努力が周りに褒められたり、喜んでもらえたりすることで、大きく育っていったり、開花していくことが多いわけだから。

誰かがやってくれた気遣いや工夫に気づいてあげて、それに対して、「これ、すごく丁寧にやってくれましたよね。本当にありがとうございます」など、そこに込められた想いを無駄にしないで、ちゃんと伝えてあげることも、やっぱり大事な気がします。「今の自分には出会いがない」と感じている時こそ、「誰かの工夫や想いに気づいていくこと」で、少しずつ、自分の状態や状況を変えていくことなんかもできたりするから。

色々なことを書いてきてしまいましたが、最後に、今の時代を生きる人たちにどうしても伝えたいことがあります。

それは、「一日一個でも、自分に対して100点を！」なのです。

毎週、「しいたけ占い」を通して、12星座の占いを書いてきて、「自分の認め方がわからない人」がたくさんいるような気がしています。

「自分の認め方」は、思ったよりも簡単です。

自分の一日を振り返ってみて、甘めの採点で構わないので、「この部分は100点！」を探していってみてください。

• 暑い中、出勤した。100点！

• 「こーのーやーろー」と舌打ちしそうになったけど、寛大な心で許してやった。100点！

• どう考えても今日は集中できないので、早めの就寝を決断することができた。100点！

など、そのように、自分のことを振り返ってあげて、100点をつけていくことで、良い意味で、「自分が知らなかった自分」が、「もっと私を見ろ！」と、勝手に活躍していったりもするのです。

「自分を認める」というのは、「自分の全体像を認める」のではなくて、ごく一部、「今日光ったところ」を認めてあげることが大事なのです。

他人に認められるのを待つのではなくて（みんな、忙しそうですしね）、毎日、自分で自分を認めてあげる。

そうすると、「自分」がもっと調子に乗って、「もっとカッコイイ私を見せてあげる！」と言って、想像していなかった、色々な扉を開いていってくれたりもします。

色々な100点！を見つけてあげてくださいね。

長くなってしまったけど、ここまで読んでいただいてありがとうございました。

これから先の10年も、もしよければ、「しいたけ占い」を続けさせてください。

月曜日のお昼に、皆様のもとに占いを届けていける縁を頂き、本当に幸せです。

「もう今週の乙女座はほうれん草かピーマンを食べていくのが良いでしょう。ラッキーカラーは緑。髪の毛も緑に染めてみて！」など、そのようなクオリティに低下しないように頑張ります。

占いも含めて、伝え方、文章などについても、精進していきます。夏のシーツ交換なども、面倒くさがらずに頑張りたいと思います。ここまで本当にありがとうございました。

しいたけ. 拝