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note読者限定、本文特別公開企画②「ほら、私って○○じゃないですか」の呪い

今回も、note読者の皆様へ、感謝の気持ちを込めて本文特別公開企画の第2弾です。
「第2章 ドヨーンの乗り越えかた(逆境や疲れたときの回復法)」からお届けします。

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「ほら、私って○○じゃないですか」の呪い

個人鑑定を昔やっていたときに、何の脈略もなく、「いや、ほら、私って暗いじゃないですか」って、自分の説明をし出す人がけっこういたのです。別にそれまで、その人と向かい合っていて「この人ちょっと暗いな」とは全然感じないのに、突然そういう告白をし出す。

そして、そういう「ネガティブな自己評価」のほとんどが「ちょっとした場面で身近にいる他人から言われた言葉」が大もとにある場合が多かったのです。

ちょっと想像していただきたいのですが、自分なりに一生懸命頑張ってまとめた仕事用の資料があったとします。そこへ疲れた様子の先輩が帰ってきて、「あ、先輩。これ頼まれていた資料です」と渡す。すると先輩がボソッと一言、「あなたは資料まとめるの得意じゃない人だよね」。目を合わせないで言った。

これってけっこう破壊力大きいでしょう? 場合によってはその後の人生全部この「ボソッ」と言った一言が、自分のネガティブな自己評価として心に留まってしまう人も出てくるでしょう。

また、別のパターンで「〇〇さんは明るいよね!」って周囲から言われ続けた人。ポジティブな評価ではあるのですが、その「明るいキャラ設定」で10代、20代とやってきて、30代に入ったときにいきなり「どっ」と疲れが出るケースがあったりするのです。そこでなんか気づくんですね、「え、私別に明るくないよ」って。

僕が伝えたいのは、「今思っている、自分のキャラ設定って案外いい加減なものですよ」ということなのです。

「キャラ設定」って、いわばスーツと同じなんです。スーツを着ると、それなりに気合いが入るし、自動的に仕事モードに入れる。でも、キャラ設定とスーツが違うところって、「気づかないうちに脱ぐのを忘れて、ずっと同じキャラで居続ける」ところです。

同じキャラ設定でいることは悪いのか。
それを説明するためにちょっと感覚的な説明をしたいのですが、女性でも、男性でも仕事用に持っていくバッグと、プライベートで持つバッグって分けていたりするでしょう。一回やってもらいたいのですが、プライベートの時間に仕事用のバッグを持つと「どっ」と疲れたりします。

キャラ設定もそれと同じで、「ずっと同じものを背負い続けている」と、その疲れっていつの間にか蓄積されていくし、もっと言うと麻痺してきます。キャラ設定の怖さって「明るい」とか「しっかりしている」とか、そういうポジティブな評価をされる場合においては、本人も別に悪いことをしているわけではないし、周囲から良い評価をもらっているわけだから、なかなか脱げなくなるのです。

その結果どうなるか。
ポジティブなキャラをずっと背負い続けてきた人は、だんだんと自分のキャラクターに飽きてきたり、疲れて攻撃的な言動が増えたりします。何か自分を破壊したくなる衝動が起きてくるのです。

だから、たまにはキャラ設定を脱ぐ時間を取ってください。期待されるキャラ、もしくは他人から与えられたネガティブなキャラをずっと着続けていると、だんだん世界から感動と驚きがなくなっていきます。

おいしいものを食べても「早く家に帰ってひとりになりたいな」と思う機会が多くなってしまったら、あるいは「休日は誰にも会いたくない」という感覚が1か月以上続いたりしたら、自分が着続けているキャラに疲弊している可能性が高いです。

自分のキャラ設定を脱ぐためのやりかたは、新しいキャラを着ることではありません。

五感を復権させてください。自分自身が感じていることに気づくこと。

たとえば、「今日は視覚を回復させる。綺麗な景色を見よう」でもいいし、「今日は嗅覚を回復させる。植物の匂いや洗ったばかりの洗濯物の匂いを思いきり嗅いでみよう」とか、そういうことを意識してやっていくと、いつの間にか心地良いキャラが生まれてきてくれて、しかもそのキャラは自然体で演じられるようになりますよ。


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『しいたけ.の部屋 ドアの外から幸せな予感を呼び込もう』
しいたけ.著 

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