note読者限定、本文特別公開企画③とりあえず結婚したほうがいいのか問題
今回は、「第3章 心の温度を上げていこう(恋愛・愛情問題)」より抜粋してお届けします。
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とりあえず結婚したほうがいいのか問題
僕の個人的な意見だと思って聞いていただきたいのですが、ハッキリ言って今の日本で「婚活」という言葉は「各個人にかなり大きなプレッシャーを与える言葉」になっていると思います。
「アラサー」「アラフォー」、そして「婚活」。
これらの言葉って現代における「呪いの言葉」になっていないでしょうか?
呪いって大げさに聞こえるかもしれないけど、どうしてあえてそういう言いかたをするかというと、「アラサー」「アラフォー」「婚活」と聞いて元気になる人は果たしているのかな? と疑問なのです。
だって、「私もアラサーかー! よーし、婚活頑張るぞ!」ってなかなかならないでしょう。どちらかというと、「うっ、もうアラサーか」とか「うっ、ぼやぼやしてはいられない。周りも頑張っているし婚活頑張らなきゃ」と、ちょっと胃とか胸にズンと来る言葉なのです。人から元気を奪う言葉を僕は「呪いの言葉」と呼んでいて、その呪いってけっこうボディーブローのようにジワジワ効いていきます。
結婚の目的って、現代では「居場所の確保」だと思うのです。
だんだん歳を重ねると、結婚した人たちは結婚した人たち同士でコミュニティを形成していって、そこに入っていないとなんか自分が欠けている気がしてしまう。僕ももちろん経験があります。友達の結婚式に参加したときに、その帰り道で貯金が50円しかなくて「あー、何やってるんだろう」って考えてしまったこと。あの祝福ムードの光と音響のあとってけっこうくるんですよね(笑)。
タイトルのように、「今の私は結婚適齢期です。恋愛に(または今付き合っている人に)あまり関心がないのですが、結婚はしたほうがいいのでしょうか?」とか「今特に好きな人がいるわけではないけど、結婚に向けて婚活をしたほうがいいのでしょうか?」という疑問を持つ人はとても多いと思います。
「結婚についてそこまで関心はないけど、でも、関心はゼロとは言えない。どうしたらいいのか?」と考える人に僕なりの考えをお答えしていきます。
結婚は「居場所の確保のひとつの形」です。
もちろんそこに愛し合う人同士という前提はありますが、結婚式が終わったあとは「お互いにルールを設けて、ふたりで協力して自分たちの居場所を作ったり守ったりしていく」という性質のほうが強くなっていきます。結婚に少しでも憧れがある人は、まず自分の生活の中にある「居場所」を大切にしてみてください。
そのために具体的におすすめしたいことがあって、これは僕の師匠の名越康文先生も言っていたのですが、「自分に居心地の良さを与えてくれるお店を育てる意識を持つ」のがいいと思います。名越先生も僕も、喫茶店の隅っこで本を読んだり、人見知り同士でボソボソ話をしたりするのが好きなので、「このお店がなくなったら困る」という理由でときどきお店に顔を出して、お金を払います。
結婚に向けて頑張っているけどなかなかその目的を果たせないと悩む人って、「自分には居場所がない」とどこかで思っています。「自分には居場所がないから、とにかく倒れるまで頑張って、なんとか仕事で周りに自分を認めてもらわないといけない」とか、どんなに頑張ってきても「もっと頑張らなきゃ」や「落ち着けない」という考えを持ってしまっていることが多いのです。そこで、
「頑張り」とは関係なく、居場所を持ちましょう。
喫茶店や場所だけではなくて、「自分が通勤途中で毎日見るイチョウの木」とかでもいいので、「今年もすごく綺麗な葉になりましたね」って心の中で話しかけてあげる。「帰りにいつも寄るコンビニ」とかでもいいです。いろいろな場所や人やものが、あなたにとっての大切な居場所になります。
すごく機嫌が悪いときや不調のときはやらないでいいので、「今日もお疲れ様」とか「今日もありがとう」、「私にはいろいろな居場所がある。いやぁ、どうもありがとう」と心の中で言う習慣を作ってみてください。そしたら、あなたを居場所にしたいと願う人たちが徐々に増えていくから。やさしい雰囲気って、けっこう周りは見抜くから。
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『しいたけ.の部屋 ドアの外から幸せな予感を呼び込もう』
しいたけ.著
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